コロナ経て激変”中国医療”鼻PCRロボも

1. 中国におけるポストコロナ新医療体制

コロナウィルスの感染拡大に伴い医療崩壊が囁かれる日本ですが、隣の中国における医療体制はどうなっているのでしょうか。

中国といえば世界で初めて新型コロナウィルスの感染拡大と医療崩壊を経験した国ですが、その対処方法としてまず思いつくのが国産ワクチンや医療物資の大量供給です。しかしそれだけではありません。実は中国は現在、どの国よりも早くデジタル医療の整備に着手しているのです。

例えば遠隔にいる医師がロボットを操作して喉のエコー検査をしたり、はたまた世界初のAIによる鼻PCR検査ロボットが検査対象者の鼻の穴の形を認識し検査を実施したり。さらには連続で8時間も自動走行することのできる消毒ロボットもあります。

これらのサービスは新型コロナウィルス感染拡大を防止する無人化・非接触医療として注目されています。中でも驚くべきは医療関連会社「平安健康」が実施している遠隔医療です。

2. 「平安健康」が実施する遠隔医療

現在、平安健康の会社を訪ねるとそこには異様な光景が広がっているといいます。それは医師が横並びになり1人1人がデスクのPCに向かって患者とオンラインで話している光景です。

平安健康では3回の交代周期で24時間の遠隔医療を可能としています。価格は以下の通りです。

▼文字によるチャット診療:約170円
▼音声付き診療:約800円
▼テレビ電話:約1000円

また、画期的なサービスとして、問診専用BOXに実装されているAIが年齢や性別、症状といった基本的な質問を患者にした後、その症状に詳しい実際の医師をマッチングさせるというサービスがあります。平安健康が抱える約2000人の社員医師に加え、約3万8000人の社外医師も登録しているため、ユーザーは、4万人の医師の中から症状にベストマッチする医師とマッチングできるのです。

マッチング後は医師による遠隔診療を経て電子処方箋が発行され、隣に併設されている薬の自動販売機から薬が処方されるという仕組みになっています。自販機に該当する薬がない場合は自宅に配送されるようになっています。

現在、同社の遠隔医療を利用できる登録ユーザーは累計4億人にものぼり、新型コロナウィルス感染拡大前に比べて約10倍増加したとのことです。