韓国スタートアップ「フュリオサAI」、米エヌビディアに勝利

1. 韓国FuriosaAI社「Warboy」が米国Nvidia社「T4」に勝利

韓国を拠点とする人工知能半導体スタートアップFuriosaAI Inc.のシリコンチップ「 Warboy 」が、AI半導体ベンチマーク(性能テスト)大会である「MLパーフ(MLPerf)」において、米国のチップ大手Nvidia社の「T4」よりも高い性能を発揮したと、FuriosaAI社が発表しました。

MLパーフは、Google、Samsung Electronics、Intel、Qualcomm、Microsoftなどのグローバル企業と、Stanford大学やHarvard大学などの大学が共同で設立した非営利団体MLCommonsが主催する、年に一度のグローバルなAI半導体ベンチマークイベントです。

MLパーフの結果によると、FuriosaAI社のWarboyは、物体検出と画像分類において、Nvidia社のT4の約1.5倍の性能を示しました。T4がWarboyの約2.5倍から3倍の価格であることから、Warboyのコストパフォーマンスの高さが強調された結果となりました。

2. Warboyとは

Warboyは、高性能なコンピュータービジョンのために設計されたチップです。画像や映像の検出・分類に優れ、約300種類のAIモデルをサポートします。FuriosaAI社は、Warboyがデータセンターや高性能エッジコンピューティング分野の効率的なソリューションとなることを期待しています。

来年前半には、第一世代のチップ「WARBOY」を商品化する予定で、サムスン電子のファウンドリで量産される予定です。同社は、メタバース、クラウドデータセンター、自律走行、ライブストリーミング、スマートリテールなど、さまざまな分野でWARBOYをテストしています。

3. FuriosaAI社の今後

FuriosaAI社は、ハイパースケールAIモデルを高性能にサポートする次世代チップの開発も進めており、2023年の前半に新しいチップを発表することを目指しています。

FuriosaAI社の最高責任者であるジューン・パイク氏は、「世界市場でどこにも負けない強力なサーバーAIチップを作るために、チームの拡大を計画しています」と述べています。パイク氏によると、同社は次世代チップの開発に1000億ウォン以上を投入し、MLパーフのすべてのカテゴリーで優勝する計画だとのことです。