UAE、AIの世界的リーダーになるための戦略を発表

UAE内閣がAI戦略を承認

2017年、世界初の人工知能(AI)担当大臣に就任したオマール・スルタン・アル・オラマ氏が、2031年までにUAEをAIの世界的リーダーにするための戦略を発表し、2019年にUAE内閣によって承認されました。

この戦略の力点は、UAEが資源・エネルギー、物流・輸送、観光・ホスピタリティ、ヘルスケア、サイバーセキュリティの5つの優先分野において、AI技術を早期に導入することにあります。

AIの導入方針

以下では、上記5つの優先分野のうち、資源・エネルギー、物流・輸送、観光・ホスピタリティの3つの分野において、どのようにAI技術を導入する方針なのかをご紹介します。

資源・エネルギー

まず、資源・エネルギー分野では、現在人工知能省が省エネの判断を行うAIサービスを探しており、特に、企業と電力網の間の通信を促進し、電力周波数の変動に応じてモーターやポンプを調整するデマンドサイドレスポンス(DSR)システムに関心を寄せ、将来的に導入しようと考えています。

物流・輸送

次に、物流・輸送に関しては、ドバイとアブダビの両国に存在する主要な国際空港において交通管理や手荷物の取り扱い、飛行機の搭乗などにAIソリューションを活用することで、効率化を図ろうと考えています。

さらに、2030年までにUAEの全車両のうち25%を自律走行させる計画を立てています。その戦略の一環として、アブダビは2021年末までにドライバーレスタクシーのパイロットプロジェクトを開始するとしています。第一段階では、市内の特定の場所で3台の自動運転タクシーが運行し、第二段階では、自律走行車の数を10台以上に増やし、より多くの場所でサービスを提供する予定とのことです。

観光・ホスピタリティ

そして観光やホスピタリティに関しては、AIシステムを使って観光客のニーズを予測し、カスタマイズされたサービスを提供することで、観光客の体験を向上させることを掲げています。実際にアブダビの文化観光局は、旅行業界向けにAIを活用したマーケティングを提供する米国の企業、Sojernと提携しました。