英スタートアップ、人工衛星とAIを使って農業支援

農業もデジタル化が進み、農家は衛星写真を処理して得られる情報を基に栽培を行っています。しかし、イギリスは曇りの日が多く、衛星から農地の写真を撮るのに大きな障壁となっていました。

そこで英国のスタートアップが、AI(人工知能)を使って、雲の下地表がどのように見えるかを予測する技術を開発しました。同社の技術は、どんな天候でも畑の鮮明な合成画像を作成することができます。

このシステムは2種類の衛星を使うことによって成り立っています。1つは欧州連合の主力衛星「Sentinel-2」で、雲のない日はこの衛星を使っていわゆる光波長で地上を観測しています。EUのもう一つの衛星である「Sentinel-1」は、レーダーを使って地表をマッピングしています。レーダーのマイクロ波放射は雲を突き破ることができるのです。

同衛星は、夜間、暗闇の中でも地表を観測することができます。ここから得られるレーダーの反射を解釈して合成光学画像に変換するアルゴリズムを開発しました。さらに6年間にわたるSentinel-2が撮影した曇りの日の衛星画像と組み合わせることにより、干ばつや霜、積雪の程度まで曇っていても予測が可能になったといいます。英国は国内に初めて衛星打ち上げの拠点を作り、さらに宇宙開発に力を入れていく方針です。