企業でのセキュリティーにAIを導入するということですが、一体、AIで何がどこまでできているのか、一番進んでいる国として中国での例を最初に見てみるのがいいと思います。 それは、中国の「天網」。 なんともすごい名前ですが、これは「天網恢恢疎にして漏らさず」という老子の言葉からきています。これだけですごいネーミングです。「天にある網で悪人を漏らさず捕まえる」という意味です。しかも、なんと実際に稼働し始めているんです。 中国の街頭にある2000万台のAI監視カメラが常に人物を捉えて、その人物がどういう属性かを表示、しかも画面上で追尾され、カメラの範囲から出ると次のカメラに引き継がれるというものです。顔認証機能もついているので、犯罪者を自動的に識別し、警察に通報が行われます。 今のものが画像認識だとしたら、音声認識バージョンもあります。 その名が、「天耳」、これは一部の省だけですが、一般市民の7万人以上の声紋データが登録されていて、公安当局が所持しているテロリストのデータと照合して、特定をするというものです。 さらに中国の長い伝統と歴史のなせる技というか、発想ですが、AI顔認識システムを使って、犯罪者特有の特徴を導き出し、その特徴を持つ犯罪者になりそうな人物をマーキングして、管理カメラで探すというものです。まるで人相占いのようですよね。 もし、ここまで企業でセキュリティーシステムが入ったら技術的には、完璧ですね。 最高峰の技術としてはここまで到達してきています。 でも、きっと感じられていると思いますが、これは極端な事例としても、これが監視されている側、犯罪者でもない社員にとってはきっと不安に感じてしまうでしょう。 ですので、導入を検討されるのであれば、予算もあるでしょうから、2つの観点から考えてはいかがでしょうか? 1, 本当に最優先、最低限で守りたいものは何か? 2, システム以外で実現する方法も検討してみる。 こんな点から見てみるのがいいのかと思いました。 |