韓国、3億3,000万ドルの国立AI複合施設の建設に着手

韓国政府が3億3000万ドルをかけて国立のAI複合施設の建設に着手し、11月22日には韓国南西部の都市光州市で施設の起工式を開催しました。国立AI複合施設「National AI Industrial Convergence Complex」は、2024年の完成時には、商業用AIプロジェクトの開発を目指す約77社のスタートアップ企業にオフィススペースとデータセンターを提供する予定となっています。

*AIについて詳しく知りたい方は、↓の参考記事をご参照ください。

2021年初め、文在寅大統領は、市内のチョムダン3区に建設される4万6,200平方メートルの複合施設を「前進基地」と表現し、韓国がポストコロナ時代の情報通信強国からAI強国へと飛躍することを支援すると述べました。

また、この複合施設は、昨年開校した光州AIアカデミーや光州科学技術院のAI大学院、そしてAIコンバージェンス・カレッジなど、同市のAIトレーニングセンターを補完する存在になるとも言われています。

光州市のチョムダン3区に建設される National AI Industrial Convergence Complex は、敷地面積46,200㎡、建物面積24,820㎡で、景谷産業団地、河南産業団地(自動車)、チョムダン産業団地(エネルギー、ヘルスケア)、文化産業投資促進地区(文化コンテンツ)へのアクセスが可能となっています。

また、関連する主要企業としては、サムスン電子、LGイノテック、起亜自動車などがあります。そして、湖南高速鉄道(KTX)や5つの高速道路、光州空港、務安空港(国際空港)、光陽港、木浦港など、さまざまな交通インフラが整備されており、国家的なAI産業集積地へのアクセス性が高まっています。

同施設は相互のコミュニケーションと協力によるシナジー効果を生み出す空間として、またデータセンターやリサーチセンターなどのAIに特化したインフラを構築する場所としてその設立意義を高めています。

スタートアップや教育への支援を重点的に行うことで、AIコンバージェンスの研究開発や企業の成長を促進し、その結果として技術、人材、企業が同施設に集まり、人工知能産業収束の小さな生態系が形成されることになります。

実際に自動車、エネルギー、ヘルスケアなど光州の基幹産業と連携することで、製造業を中心とした地域の産業構造を未来志向の産業構造に転換します。National AI Industrial Convergence Complexは、今後の持続的・安定的な成長の基盤を作るための前哨基地となるでしょう。