2020年に東京オリンピックが開催されるということで、日本ではスポーツにおけるデジタルテクノロジーが注目されています。日本政府が掲げる日本再興戦略2016では、AI(人工知能)やIoTなどのデジタルテクノロジーを利用することで2025年には日本のスポーツ市場を15兆円規模の市場へ成長させるとしており、現在も大きな力が注がれています。今回は、スポーツ業界で使用されているAIに注目したいと思います。
スポーツで良い成果を出すために日夜アスリートはトレーニングを行っていますが、トレーニングの内容や量について評価するためにAIによる分析を行っています。
例えばAIカメラにより体の関節等の部位の動きを可視化するというものがあります。このツールでは理想的な動きと実際の動きのギャップを可視化し、アスリートが行うトレーニングの道しるべとなります。
出典:富士通 スポーツフォーム可視化ソリューション
https://sports-topics.jp.fujitsu.com/sports_digital_solution/skeleton-analysis/
同様のツールを一般個人のフィットネスに応用するというAIオンラインフィットネスも登場しています。
例えば、kemtaiは、フィットネスを行う自分自身の姿をPCやスマートフォンのカメラで写しリアルタイムで体の動きを可視化します。さらに、AIトレーナーがどのように体の動きを改善すべきかをリアルタイムで教えてくれます。
アスリートにとってはトレーニング後の体の回復も重要な要素です。
回復を効率よく行うことでトレーニングの効果を高めることができます。回復を評価するのめのAIがRocketBody社から提供されており、このアプリケーションではリストバンド式のウェアラブル端末を身に着けることで心電図を取得し、体の回復具合を可視化します。さらに、回復のためには食事管理も重要です。Food coach(オンキョースポーツ社)は全国に数少ない公認スポーツ栄養士の代わりとなるAI搭載食トレアプリで、アスリートの食事管理支援を行います。
スポーツはトレーニングのみでは成果は残せません。戦術も必要となってきます。これまでに集められたデータからAIにより戦術を考えるということも行われています。PitchBrain(SPORTS TECHNOLOGY LAB社)はサッカーの試合映像をデータ化し、戦術分析を行います。
これまではスポーツを行う側の話をしてきましたが、スポーツというのは観る側があって成り立つものです。見る側には次のようなAIも登場しています。
例えば、WARP(SportsAI社)はサッカーの戦況予測AIです。AIサッカーシミュレーションによりJリーグなどの試合結果を予測します。
以上挙げてきたようにスポーツ業界でも多くの、AIが取り入れられています。
有名な事例として、プロ野球チームのソフトバンクがあります。ソフトバンクはAIなどのデジタルテクノロジーをより早く取り入れ、常勝軍団となったと言われています。実際ここ10年のソフトバンクのリーグ優勝回数と日本シリーズ優勝回収をカウントしてみると、 パ・リーグ優勝回数5回、 日本シリーズ優勝回数6回と無類の強さを誇っています。AIのようなデジタルテクノロジーがいかに有用なものなのかを示している好例でしょう。
今後も、スポーツ×AIによりスポーツが益々成熟していくことを思うと、スポーツをする側も見る側も楽しみですね。allAi.jpではスポーツ産業に関わるAIについてまとめていますので、ぜひご覧ください。