米Google、オーストラリアにおいてAI投資を加速

Googleは11月15日(月)、オーストラリアへの7億2900万ドルの投資の一環として、シドニーに新たなGoogle Research Australiaラボを設置する計画を発表しました。このラボでは、人工知能から量子コンピューティングまであらゆる分野の研究が行われる予定です。この動きは、国内の人工知能研究者から歓迎されており、オーストラリアにおける人工知能研究を一気に加速させる可能性があると言われています。

オーストラリアは他の国に比べて人工知能の研究が進んでいませんでした。サンフランシスコやロンドン、モントリオール、パリ、ニューヨークといった各都市が長年にわたって人工知能研究における存在感を高めている一方で、オーストラリアの二大都市であるシドニーとメルボルンはそうではありませんでした。

またGoogleはシドニーでいくつかのプロジェクトを行っているものの、Googleの本社があるマウンテンビューやロンドン、チューリッヒ、東京などに比べると、その研究範囲は比較的限定されていました。

さらに、アメリカの大手ニュース専門局であるCNBCの調査によると、ごく最近まで大手テクノロジー企業はオーストラリアにラボを持っていなかったとのことです。アマゾンはアデレードに、オラクルとIBMはメルボルンにAIラボを設置しましたが、フェイスブックやツイッターは、オーストラリアにオフィスを構えているものの、重要な人工知能研究チームは持っていません。

そのため、オーストラリアの人工知能研究者たちは、他国でその研究機会を得ていたと言われています。ですが今回、Google がGoogle Research Australiaラボを設立したことによって、オーストラリアにおけるAIの研究が加速する可能性があります。

” デジタル・フューチャー・イニシアチブ”と呼ばれる今回の投資では、Google社のクラウドコンピューティングのインフラを拡張し、地元の大学やその他の組織との提携にも使用されるほか、6,000人の雇用を創出し、さらに28,000人を支援することが期待されています。