Energy Vault

企業・サービス概要

Energy Vault社は、2018年にインド最大の総合電力会社Tata Power Company Limitedの協力を受けて設立された企業で、革新的な貯蔵発電所の開発を行っています。同社は大手建材メーカーCEMEX S.A.B. de C.V.やCEMEX Research Group AGとの緊密な連携を維持しています。

2020年、同社はソフトバンク・ビジョン・ファンドから総額1億1000万米ドルもの資金を調達することに成功し、再生可能エネルギー貯蔵を実現する同社の革新的な技術をグローバルに提供することが可能となりました。一方、ソフト・バンク・ビジョン・ファンドにとってはエネルギー貯蔵技術分野への初めての投資となりました。

この分野におけるパイオニアともいえる同社は、地形や特殊な地質的基盤に依存しない、世界で唯一のコスト効率に優れたエネルギー貯蔵システムの開発に成功しました。同社のハブ貯蔵発電所は、手頃な価格の複合ブロックで作られた巨大なタワーで構成されており、レンガブロックの重量はそれぞれが35トンにもなります。タワーの中央に設置された革新的なクレーン設計が、これらのブロックを上下に移動させ、下向きの運動が、蓄積されたエネルギーを損失なく電気エネルギーに再変換することを可能にします。このエネルギー効率こそが、水力発電システムとの大きな違いです。エネルギー貯蔵タワー内の充放電プロセスの自律的制御には専門的なソフトウェアが使用されており、ソフトウェア独自のアルゴリズムで、エネルギー需給の不安定性、グリッドの安定性、気象の影響など、さまざまな変動要因を調整して管理します。

AI分野におけるポイント

Energy Vault独自のクラウドベースのソフトウェアは、ブロックを上下させるクレーンを自律的に制御することができます。このソフトウェアは、需要と供給、グリッドの安定性、天気など、さまざまな要因を考慮した予測インテリジェンスとアルゴリズムの組み合わせに依存しています。

人工知能をスタンドアロンシステムに適用することによって、システムをよりスマートでアクセスしやすくすることができます。そして最も重要なことは、最終消費者の生産-消費サイクルに依存する配電の効率を改善することにより、AIが再生可能エネルギー源の収穫を可能にすることができる、ということです。

再生可能エネルギー設備にバッテリーインテリジェントストレージを追加すると、ほとんどの場合、経済的価値が高まります。AIは、システムを正しく最適化し、再生可能エネルギー貯蔵システムからの収益を最大化するのに役立つ多くの可能性を開くのです。これらの利益を達成するために必要な予測分析、機械学習、ビッグデータ、グリッドエッジコンピューティングの実行に役立ちます。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資

SoftBank Investment Advisers LimitedのAkshay Naheta氏は、同社について以下のように述べました。

「Energy Vault社は、長年の大規模な再生可能エネルギー貯蔵に関する複雑な問題を解決するでしょう。また、同社の技術が、環境を回復させながら再生可能エネルギーの経済単位を再形成するでしょう」

Energy Vault社CEO兼共同設立者のRobert Piconi氏は、同社プレスリリースで、「化石燃料に代わって24時間利用可能な再生可能エネルギーを開発するという使命を追求する中で、ソフトバンク・ビジョン・ファンド社と提携し、我々のグローバルなプレゼンスを拡大できることを嬉しく思います。ソフトバンク・ビジョン・ファンド社は、エネルギー貯蔵技術のイノベーションを通じて気候変動に立ち向かう我々の情熱を共有しています。これにより、Energy Vault社は、現状で満たされていない、世界中の持続可能かつ経済的な大規模エネルギー貯蔵に対する需要を満たす準備を進めています」と、今回の投資の重要性を強調しています。

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