“AI ユニコーン企業” 中国が世界から一歩リード

存在感を増す中国のAIユニコーン企業

イギリスのロンドンに本社を構える世界的データ調査・分析会社、Global Data社のGlobal Data Thematic Researchによると、世界全体におけるAIユニコーン*45社のうち、19社もの企業が中国に本社を置いているとのことです。

*ユニコーン…創業から10年以内で、企業評価額が10億ドル以上の未上場のベンチャー企業のこと

また、中国にはBaidu(約474億ドル)、Hikvision(約816億ドル)、iFlytek(約192億ドル)、Tencent(約6000億ドル)、Alibaba(約4500億ドル)といったAIリーディングカンパニーが多数存在しています。そして中国には強力なAIスタートアップエコシステムが存在しており、これらのAIリーディングカンパニーの潤沢な資金をもとに新たなAIユニコーン企業が誕生するシステムが確立しています。

※()の中の数字は時価総額(2021/10/16現在)

中国のAIユニコーン企業を一部見てみてみましょう。まず画像認識技術が強みで近年自動運転システムにも着手している中国最大のAIユニコーン企業Sense Timeは企業評価額120億ドル、そしてこれまでの資金調達額は26億ドルとなっています。続いて自動運転向けの半導体チップを開発しているHorizon Roboticsは企業評価額50億ドルとなっており、AI技術を活用した顔認証技術を開発しているCloudwalkの企業評価額が33億ドル、 顔認証のFace++で知られるMegviiの企業評価額が40億ドル、顔認識を始めとする画像認識システムの開発を行っているYitu Technologyの企業評価額が22億ドルとなっています。紹介した企業は一部に過ぎません。AIユニコーンとして評価された中国企業19社の総評価額は、合計で435億ドルにものぼります。

中国政府による規制

このようにして中国では多数のAIユニコーン企業が出現していますが、一方で中国政府からの厳しい規制を受けているのも事実です。例えば、タクシー会社のDidiは、約44億ドルを投じてニューヨーク証券取引所に上場した結果、DidiアプリのApple Storeからの削除要請といった中国の規制当局からの厳しい規制を受けることとなりました。こうした中国当局からの厳しい規制を受けつつも、中国のAI企業は、コンピュータビジョン、深層学習技術、スマートシティ、自律走行車などの重要なテーマを中心に成長を続けています。

【企業HP】
Sense Time:https://www.sensetime.com/
Horizon Robotics:https://en.horizon.ai/
CloudWalk:https://www.cloudwalk.com/en/
Megvii:https://en.megvii.com/
YITU Technology:https://www.yitutech.com/en