AI(人工知能)を活用した「小児白血病診断支援システム」、国立成育医療研究センターと共同研究を開始

血液がんである小児白血病は、小児期に発症するがんとしては最多で、1年間におよそ700-800人が発症する。このため、白血病の分類と治療反応をより正確に評価し、それぞれの患者に最適な治療法を選択することが求められている。

そこでエルピクセル株式会社は、国立成育医療研究センターと、AIを活用した小児白血病診断支援システムの共同研究を開始した。本研究では、国立成育医療研究センターや他の共同研究施設が臨床研究などを通じて収集した骨髄塗抹標本検査(造血の場である骨髄液から採取した骨髄塗抹標本を顕微鏡で観察し、血液中の細胞の分化や異常細胞(がん細胞など)の有無を確認)の検査情報と結果を元に、エルピクセルが医療AI・創薬AI開発で培ってきた技術を活用し、小児白血病の診断支援システムの構築を目指す。

小児白血病を含む血液がんでは、顕微鏡を用いた目視による鑑別が行われるが、その鑑別には高度な知識と経験が求められる。こうした鑑別の定量化と効率化によって、診断医の負担軽減が期待される。また、これまでの骨髄塗抹標本検査では、専門医による形態的な分類と、その他の検査を総合して白血病の病型分類を行い、治療法を決めていた。こうした検査をAI診断支援システムに置き換えることで、従来の目視では気づかない分類の実現が期待される。より正確な分類を行うことで、適切な治療選択が可能となり、治癒率のさらなる向上と晩期合併症の軽減の双方の達成につながる。

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