AI導入で不動産業界を一変!AI活用最前線

AI技術が様々な分野の産業に活用される近年ですが、今不動産業界におけるAI活用が注目されつつあります。AIと不動産という組み合わせを聞いて、しっくりとくる人は少ないのではないのでしょうか。しかし、意外にも不動産業界の性質、さらに不動産企業の求めるニーズには人工知能の技術が非常に効果的であることが分かっています。まずは不動産業界の現状を確認してみましょう。

不動産業界の現状

不動産企業の事業内容は多彩で、それぞれの事業によって仕事内容も変わってきますが、従来の不動産業界における主な仕事として

  • 不動産物件の売却希望者と購入希望者の仲介
  • 建設の企画・開発、または収益性の検討
  • 不動産を投資対象とする投資家のニーズに合わせた不動産物件のマーケティング

などがあげられます。

それぞれの現状を確認していきましょう。

不動産物件の仲介においては、価格や期間、名義などを記載した契約書をはじめとする膨大な書類を処理する必要があります。各契約書、工事記録書、本人確認書類等に記入ミスがないかを人の手によって確認するにはかなりの労力を要してきました。

収益性の検討(査定)、提案においても、基本的には公示地価や基準地価などの公開されている価格をベースに算定しますが、立地や築年数、汚れなどを加味し、最終的にはその担当者の感覚を踏まえた相場感で決定されており、担当者によってばらつきがあるのが現状です。

近年はオフィスの拡張や移転を検討する企業が増加しており、またインターネット通販事業の発展などで物流拠点の新設需要も増えています。そうした中で不動産投資の件数も増加していくことでしょう。

さらには2021年の東京オリンピック開催を控えて東京を中心に不動産価格が上昇する中、不動産業界全体が注目されており、不動産企業の求人数も増加している傾向にあります。

不動産業界におけるAI技術導入のメリット

上記のように年々求人数が増加している不動産業界は、労働力不足や処理効率の低さといった課題を抱えています。そこで人工知能を導入することで、これまで人の手によって処理されていた不動産物件の仲介の際に取り扱う膨大なビックデータを高精度で瞬時に読み取ることが可能となります。さらに、蓄積されたデータによってAI自身も学習し、より適切な判断を弾き出せるようになります。不動産査定に関しても、相場感といった感覚的な面はすべてAIによりデータ化され、担当者の主観によるばらつきなどを防ぐことが可能です。

このようにAI技術の導入は不動産業界において非常に相性の良いソリューションであると考えられています。こうしたAI技術のシステムを駆使したソリューションは具体的にどういったものがあるのでしょうか?

AIによるソリューション事例

具体的に不動産業界におけるAIを活用したソリューションを事例とともに詳しく見ていきましょう。

資産価値を客観的に算出

「BRaiN」 株式会社不動産経済研究所

膨大な供給実績データを元に人工知能によって客観的な価格を算出します。購入したい土地の位置を入力すると、不動産の供給データからAIが価格を推定します。担当者の主観が入らないため相場の不明瞭さといった課題を解決することができます。

取引先とのコミュニケーションツールとして人工知能を活用したチャットボットなどの自動応答サービスを活用することでさらなる人員削減にもつながります。

賃貸仲介の際の自動コミュニケーションツール

自動追客&顧客管理 nomad(ノマドクラウド)」 イタンジ株式会社

賃貸物件を探している顧客が、仲介業者のアプリや公式LINEアカウントを通して、賃貸物件についての質問をすると、AIチャットボットが自動で返信します。その後、顧客の希望に合った物件をノマドクラウドが自動で選定し、AIが提案するというサービスです。取引先への営業の省人化、効率化が図れます。

オフィス賃貸業務を効率化

「estie pro(エスティ プロ)」 株式会社estie

オーナー・管理会社・元付仲介会社のオフィス空室情報と客付仲介会社を繋ぐ日本最大級のプラットフォームです。オフィス賃貸業務の圧倒的効率化を実現します。AIアルゴリズムによる賃料推定も可能で、仲介業務をワンストップで進めることができます。

投資用不動産AI診断サービス

「VALUE AI」 株式会社コスモイニシア

AIにより時間や場所を問わずWeb上だけで不動産価値の現状把握や将来予測ができる、新たな不動産投資プランシミュレーションサービスです。不動産価値の推移がわかるため、一棟投資用不動産の売却や購入・資産の入替えを検討する際など、客観的な判断材料として活用が可能です。

まとめ

これまでに述べてきたように、不動産査定や営業、投資コンサルティングなど多岐にわたる不動産業務において、AI分析を活用することで様々な面で効率化を図ることが可能となります。今後も不動産業界におけるAIの需要が高まっていくでしょう。ディープラーニングを駆使したさらなるサービスの向上に期待です。