仮想通貨とは
仮想通貨とは、現物をもたずにインターネット上でやり取りすることのできる、財産的価値を持った電子データのことをいいます。銀行などの第三者を介さずに世界中の誰とでもやりとりできることから注目を集めました。現在、ビットコインをはじめ数十種類の仮想通貨が存在します。仮想通貨は円やドルのように国(中央銀行)から発行された法定通貨とは異なり、価値を裏付ける資産を持ちません。その代わり、ブロックチェーンという技術を用いて価値を担保しているという特徴があります。
仮想通貨とAI
AIによる仮想通貨のセキュリティ向上
仮想通貨は取引・送金データをブロックチェーンに正しく記録する必要があり、取引の際にはマイナーと呼ばれる人がその正当性を承認します。しかし、この承認作業に際して莫大な計算が必要となり、さらにブロックチェーンのデータ量が増えるにつれて、必要な計算量も増加していきます。そうなると膨大な計算を行えるマシンをもつ一部の人たちによって承認作業(マイニング)が独占され、データを改ざんされるおそれが高まります。そこで、AIを活用して不正を検知したり、ユーザーの信用度をスコアリングして適切なマイナーを選択することによってセキュリティを強化することが行われています。
AIによるマイニング効率化
AIは仮想通貨のセキュリティ向上だけでなく、いくつもの仮想通貨の中からその時のレートを考慮し、最もマイニング効率がよい通貨を選択することにも使われます。
AIによる仮想通貨トレード予測
さらに仮想通貨の流通市場でもAIは活躍しています。仮想通貨は主に取引所にて売買されていますが、その売却益を目当てにトレードする人も多く、中にはAIの予測をもとにトレードを行う人もいます。
ブロックチェーンとAIが作る未来
仮想通貨に使われるブロックチェーン技術はAIと仮想通貨以外の分野でも組み合わせて活用することができます。その一例をご紹介したいと思います。
ビッグデータ革命
近年、偏ったデータを学習したAIが問題を起こすケースが後を絶ちません。そこでAIの学習に使われるデータをブロックチェーンにて管理することにより、誤ったデータが混入することを防ぐ取り組みが行われています。また、ブロックチェーンにて管理されるデータはネットワーク上の誰でもアクセスすることができるため、グローバルでオープンなビッグデータネットワークを構築できると言われています。ゆえにWeb3.0実現に欠かせない技術でもあります。
AIの暴走を防ぐ
多くの分野でAIは人間の業務を担っています。今後もこの動きは広がっていき、いずれ大きな自律システムが構築されると考えられます。例えば、現在、経費チェックを行うAIが存在しますが、いずれは会計全体をAIが担うのです。しかし、複雑で膨大な処理をAIが行うようになると、人間によるチェックが困難になります。そこでブロックチェーンを用いることによりこの自律システムの作業をチェック・記録することが可能になります。