米上院議会、法執行機関のAI使用を制限

2022年2月、米アラバマ州上院は、法執行機関が人工知能や顔認識ソフトウェアのみによって逮捕や立証することを禁止する法案を全会一致で可決しました。この上院法案では、顔認識サービスの結果は、法執行官が合法的に入手した他の情報および証拠と組み合わせてのみ使用することができるとされています。

実は2021年にも同様の法案が提出され、上院で全会一致の承認を得ましたが、下院での採決には至りませんでした。このような法案が提出された背景としては、2020年に、全米の法執行機関が、監視カメラと運転免許証のデータベースを学習した人工知能をもとに不当逮捕を行っているという報道がなされたことが挙げられます。

また、2019年の連邦政府の報告書によると、アジア系とアフリカ系の人々は、AI顔認識システムによって白人男性よりも最大で100倍誤認されやすく、ネイティブアメリカンは、すべての民族の中で最も誤認率が高く、システムの精度に大きなばらつきがあります。こうした点も、今回の法案を後押ししたと言えるでしょう。

今後は下院にて審議と採決が行われる予定です。