在宅勤務を支える世界規模のビジネス用コミュニケーションツール
今回は世界でも1,000万人以上の方に利用され、有名企業にも高く評価されている、人気のビジネス用コミュニケーションツールSlackを提供する米スラック・テクノロジーズを紹介します。
Slackとは?
ソフトバンクが成長を続けるスタートアップ企業を対象とし投資を行う「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の一つにも選出されているスラック・テクノロジーですが、それほど注目を浴びているSlackは他のチャットツールとどういった点が異なるのでしょうか。
会話環境を整備
Slackはチャンネルベースのメッセージプラットフォームで、チーム別、プロジェクト別、拠点別といった組織に適したスタイルでチャンネルを作成し、チャンネル内でお互いにやり取りしながら仕事を進めていきます。機密性の高い内容について話し合うためにプライベートチャンネルとして設定することができます
履歴検索
Slackには充実した検索機能が備わっており、チームの会話履歴を検索すれば、必要な関連メッセージやファイル、チャンネルが簡単に見つかります。さらにチームへの途中参加者は、それに関わる過去のメッセージの記録もさかのぼることができます。
アプリ連携
ワークスペースにアプリを連携することで、すでに利用しているサービスやツールをSlackに接続することができます。Slack内のワークスペースを離れることなく業務を進めることができます。
メッセージ修正が可能
従来の一般的なメールでは送った内容を取り消すことはできませんが、Slackの場合は送った内容を取り消したり、修正したりすることができます。このようにSlackには仕事に役立つ他のチャットツールにはない様々な機能がそろった、ビジネス特化型チャットツールとなっています。
Slack導入事例
Softbank
「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で投資を行うソフトバンク自身も2020年10月から、Slackを全社で導入しています。従業員などを対象に、約5万アカウントの導入を段階的に進めており、この規模での導入は、国内企業で最大だといいます。ソフトバンクはコロナ禍を受け、6月から在宅勤務やサテライトオフィスの活用を本格化しています。Slackは数年前から一部の部署で利用していましたが、オンラインでのコミュニケーションの効率化を目的に、全社への拡大を決めたとしています。
AIチャットボットツール『PEP』
また、株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手 高志、以下ギブリー)が運営するクラウド型AIチャットボットツール『PEP』(ペップ)は、ビジネスチャットアプリ「Slack」との連携を開始しました。社内コミュニケーションでSlackを利用している企業であれば、誰でも簡単にAIチャットボットをSlack内に作成することができるようになります。NTTドコモが雑談対話AIサービス「かたらい」をSlackで利用できるアプリを開発しました。投稿内容に反応して雑談や言葉遊びを披露することができます。
Softbank Vision Fundからの出資
Slackを提供する米スラック・テクノロジーズは2017年9月18日、「ビジョン・ファンド」などから2億5000万ドル(約280億円)の出資を受けたと明らかにしました。スラックは非公開企業で正確な時価総額はありませんが、当時の出資で企業評価額は51億ドルになったといいます。しかし、2020年9月4日にソフトバンクは保有するSlackの株7.3%を1,000億円以上で全て売却しました。その後2020年12月にセールスフォースが277億ドルで買収することを発表しました。セールスフォース社は企業向けにクラウド上で顧客情報管理や営業支援ができるサービスを手掛けている大手IT企業です。
最後に
新型コロナウイルスによるパンデミックが世界中で広がり、在宅勤務をする会社員も増えていく中、直接社内で会話できない分ビジネス用のチャットツールに対する需要はますます高まっています。セールスフォースはスラックを買収し、チャットツール業界への進出を促進しています。これからのセールスフォース社の動向に注目です。