本記事では、オープンソースの連合学習用ソフトウェア開発キット、「NVIDIA FLARE」についてご紹介します。
連合学習とは
連合学習とは、従来の機械学習とは異なり、データを1か所に集約せず分散させた状態のままAIに機械学習させる手法です。
この学習方法では、大量のデータのやり取りを行わず、各端末において個々に機械学習を実行するため、機密データの取り扱いやデータの変換、通信量の増大などで開発が思うように進まないといった悩みを解決することができます。
*連合学習について詳しく知りたい方は、↓の参考記事をご参照ください。
NVIDIA FLARE
NVIDIA FLARE( Federated Learning Application Runtime Environment )は、オープンソース化された、連合学習用ソフトウェア開発キットです。
NVIDIA FLARE を活用することで、データのセキュリティを維持しプライバシー侵害のリスクを軽減しながら、より正確で汎用性の高いAIモデルを開発することができます。
NVIDIA FLARE のソースコードは GitHub で公開されています。
研究者やデータサイエンティストは、 PyTorch や Nemo、TensorFlow といった既存の機械学習・ディープラーニングのワークフローを連合学習パラダイムに適合させることができます。
活用事例
NVIDIA FLARE は、医療用画像や遺伝子解析などのAIアプリケーションに利用されている NVIDIA Clara Train という連合学習ソフトウェアの基盤となっています。
また、医療用画像プロジェクトを進めている Taiwan Web Service Corporation は、NVIDIA FLARE をベースにして連合学習を実行できるMLOpsプラットフォームを提供しています。
Rhino Healthは、NVIDIA FLARE を同社の連合学習ソリューションに統合し、がんの初期兆候を発見する画像診断AIモデルの開発などを行っています。
さらに、米国放射線学会のメンバーが利用できるソフトウェアプラットフォーム「 ACR AI-LAB 」では、今後 NVIDIA FLARE が活用される予定です。