目次:
- 導入
- AIエージェントとは
- Manusでできること
- 現状の課題と注意点
- まとめ
1.導入
中国の新興スタートアップであるManusAIが2025年3月6日に発表した自律型AIエージェント、「Manus」が今世界のAIコミュニティの注目を集めています。
2025年は「AIエージェントの年」と言われている通り、大手AI開発企業各社が、ブラウザの深層まで自動検索を行い回答を生成する先行技術『Deepresearch』をはじめとする自律型AIエージェントの機能を発表しています。
今回発表されたManusは検索だけでなく、履歴書の審査、株式分析、旅行計画の作成、ウェブサイト作成などのタスクを自ら計画を立てて実行可能であるとのことです。
この記事ではAIコミュニティを騒がせている最新のAIエージェント製品であるManusを紹介します。
↓デモ動画
2.AIエージェントとは
改めてAIエージェントの定義を確認しておこうと思います。
とはいってもAWSやIBMなど複数の機関がそれぞれ異なる視点でAIエージェントの定義を提示しているため、まだ統一された定義は確立されていません。しかし、共通して重視される要素として、以下の3点が挙げられます。
- 自立性:人間の指示を待つことなく自ら判断して行動します。
- 反応性:環境の変化に適応し、適切に反応します。
- 目標指向性:特定の目標を設定し、その達成に向けて行動します。
現状ではこれらがAIエージェントの定義、という解釈で正しいと思います。
Chat GPT やDeepSeekなどの大規模言語モデル(LLM)との違いが分かりにくくなっていますが、その原因は既にこれらにエージェントに準ずる機能が搭載されているからです。
大規模言語モデル(LLM)は主に自然言語の理解と生成を担当しますが、ChatGPTなど一部のモデルには検索機能などのエージェント機能も組み込まれています。つまり、LLMは言語処理が中心であるのに対し、AIエージェントは自律的にタスクを計画・実行するシステムとしての役割が強調されています。Manusは、そのエージェント機能をさらに拡張した製品と言えるでしょう。
3.Manusでできること
では話題のManusでは何ができるのでしょうか。
こちらのManusの公式ページにユースケース例がたくさん載っています。
旅行行程の作成、データ分析、資料作成、情報調査、スケジュール管理などがあります。一見すると、既存のAIツールでも十分対応可能ではないかという疑問が生じます。しかし、Manusは従来のツールでは分散していた機能を一つのプラットフォームに統合している点に大きなメリットがあります。
また、デモ映像でも分かるようにAIエージェントが作業している間、その過程がリアルタイムで表示されるので、気になった情報源へのアクセスがしやすいのも利点の一つです。
以下はAIエージェントの課題解決能力を評価するベンチマークであるGAIAによる評価です。
この評価によるとすべての難易度の課題(Level1~3)でOpenAIのDeepresearchよりも優れた課題解決能力を持っているということです。
このベンチマーク評価は第3者機関によるものなので、信頼性は高いでしょう。
4.現状の課題と注意点
Manusのプレビュー版ユーザーによるSNS上での評価は様々で、「性能の高さに驚いた」という意見もあれば「予約、注文などの実行タスクに失敗する」などの否定的な意見もあります。
Manusは商用利用可能で、ユーザーが生成したレポートなどの成果物の権利はユーザーに帰属するとのことですが、サービスそのものの改変や再配布、違法な目的での使用は禁止されているので注意が必要です。
また、Manusに入力したデータや対話内容はサービス提供者に送信、保存されます。AIツールをよく利用する人は常に気を付けていると思いますが機密情報や個人情報の取り扱いには十分慎重を期すことをお勧めします。
5.まとめ
2025年3月現在、Manusはプレビュー版の公開のみになっており、招待コードを持つ限られたユーザーのみが使用できるという状態です。これによって招待コードそのものがプレミア化し、中国のサイトで数千ドルという高値で取引されているという報告もあります。
Deepresearchなどの調査専門のAIエージェントに比べてできることの幅は広がっているようですが、より実用的なタスクを正確に完了できるかどうかにはまだ疑問が残ります。
しかしAIエージェントができることの幅は今後生成AIと同様の早さで広がっていくでしょう。
AIエージェントに飛行機のチケットを取ってもらったり、レストランの予約をしてもらったりするのが日常化するのもそう遠くないのかもしれません。
参考文献:
https://aws.amazon.com/jp/what-is/ai-agents/
Manus probably isn’t China’s second ‘DeepSeek moment’ | TechCrunch