Klook Travel Technology
テクノロジーで異文化の架け橋になる―孫正義氏が出資する注目のユニコーン企業

この記事では、創業が2014年と最近であるにもかかわらずテクノロジーを活用して今や830億円を超える資金調達に成功している香港のテクノロジー企業“KLOOK Travel Technology”について紹介します。是非ご覧ください。

Klook Travel Technologyの企業概要

初めに、Klook Travel Technologyの企業概要をご紹介します。

◇2014に設立された香港の旅行テクノロジー企業
◇旅先体験予約プラットフォームである、“KLOOK”を提供
◇世界29か国に拠点を置き、サービスは14か国語、41種類の通貨に対応
◇2015年、2017年にはGoogle PlayとApple Storeにてベストオブイヤー賞を獲得
◇調達総額(2021年1月27日付)は、7億2000万ドル
◇2019年4月、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの主導する投資ラウンドで4億2500万ドルを調達

以上が同社の企業概要です。

次は、KLOOKというサービスについて深掘りし、どのような点が優れているのかをご説明します。

旅先体験予約プラットフォーム“KLOOK”とは

KLOOKは全世界の500以上のエリアで28万件以上の旅行アクティビティを提供する、旅先体験予約プラットフォームです。KLOOKを利用することでユーザーは、現地ツアーやアトラクションチケット、空港送迎、Wi-Fiレンタルなど旅行に際する数多くのサービスや体験を簡単に検索・予約することができます。

KLOOKの背景

創業者のEthan Lin氏は、台湾生まれで、かつて日本国内を飛び回るように旅し、日本の良き文化に触れてきました。その中で、外国人が現地の良い場所を探すのには膨大なリサーチが必要で度々苦戦してしまうことを強く感じました。そこで、テクノロジーを活用して旅行にまつわる情報をデジタル化すればこうした体験をもっと世界に広めることができると考え、KLOOKの提供を決意しました。

また、KLOOKは個人旅行者にフォーカスしていますが、その背景には、「団体旅行では味わうことのできない“用意されていないハプニングや出会い”を大切にして、本当の意味での異文化交流に触れ合ってもらいたい」という創業者の想いがあります。そうした想いから、思い立ったらすぐに予約できる旅先体験予約プラットフォームというビジネスモデルが構想されました。

KLOOKの優位性

KLOOKの優位性は、以下の3点にまとめることができます。

1.充実したアクティビティラインナップ
KLOOKでは、通常の値段よりも安価な10万件以上のアクティビティと、500万件以上の口コミがそろっており、安全・安心に、かつ安価に利用することができます。

2.即時予約が可能
90%のアクティビティが即時予約可能なものとなっています。

3.デジタル化
QRコードを発行し、テーマパークをはじめとする行先のアクティビティとの連携を行うことでスムーズな入場を可能としています。

孫正義氏が Klook Travel Technology に出資する理由

ソフトバンクの孫正義氏がなぜこの企業に出資しているのかについて、分析しました。

柔軟な経営

旅行業界は新型コロナウィルスの影響を大きく受けた業界の一つです。それにもかかわらず同社が多大な資金を調達し続けるのにはワケがあります。それは、状況に応じた柔軟な経営をしているからです。具体的には、海外旅行から国内旅行へシフトしたことと、新規事業を立ち上げたことの二つが挙げられます。

1.国内旅行へのシフト
共同創業者であるEric Gnock Fah氏によると、従来は収益の90%以上を海外旅行から得ていたところ、現在では100%国内旅行から得ているといいます。国内において、ホテルでの宿泊とレストランでの食事やスパ、そして周辺のアトラクションをセットにした「ステイケーション」を導入し、DXを推進することで収益を上げています。

2.新規事業の立上げ
このコロナ禍で“KLOOK HOME”という新事業を展開しました。同事業は、DIYのクラフトキットや料理教室、バーチャルツアーなどのオンラインコンテンツを提供し、ライブストリーミングで自宅に居ながら人とのつながりや新たな体験を得ることのできるサービスです。

このように、時代やその状況に応じて柔軟な経営をする経営者の腕を孫正義氏は評価したのではないのでしょうか。

AIやDXを推進している

KLOOKのサービスでは、AIによるレコメンド機能を実装しています。個々人が検索・予約したデータを蓄積し、AIがそれを学習することによって、ユーザーごとに最適なアクティビティを自動でレコメンドしてくれます。このように、AIによってユーザーごとに最適な内容を最適なタイミングで提供する体制を整えることで、価格競争を避けることに成功しています。

DX推進については、2021年1月26日に、2億米ドル追加資金調達後の観光復興応援策として、国内事業向け「KLOOK観光DXプラン2021」をリリースしました。このプランは、9月末まで初期導入費・販売手数料無料で電子チケット販売システムを提供し、事業者のDXを支援しながら感染症対策強化と業務効率化に貢献するものです。

孫正義氏は、こうしたAI活用やDX推進を評価したのではないでしょうか。

allAi.jp では、この他にも様々な企業を紹介していますので、是非ご覧ください。

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