農業革命も間近、スマート農業 AI活用最前線

日本の農業は、就労者の高齢化、後継者不足、不安定な収入等多くの問題を抱えていると言われますが、実はこれらの課題を解決するために、人工知能(AI)が注目されています。農業というと古い時代から行われてきた産業なので最新デジタル技術とは遠い位置にあるような印象を受けますが、今では「スマート農業」という言葉が存在するくらい、様々なITツールが導入されてきています。今回は農業に導入されている、AIについてまとめてみました。

農業で導入されているAIは大きく次の4種類に分類されます。
1. 作物の成長や病害の画像判定
2. 収量・収穫時期等の予測
3. 散布や収穫の自動化
4. ノウハウ構築と継承

 

1. 作物の成長や病害の画像判定

作物は成長するとともに葉の大きさや色が変化します、また、病害を受けた作物は枯れて色が変化します。ドローンに付けた高解像度カメラで空撮により作物の状態を俯瞰することで、作物の成長具合や病害の状況を判定します。例えば、病害部分にピンポイントで農薬を散布することができるようになり、農薬使用量の低減につながります。

出典:オプティム社 Agri Field Manager
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/robotics/

 

2. 収量・収穫時期等の予測

農産物の成長は天候に大きく作用されます。天候(天気や気温、降水量など)によって、水や肥料の量を調整したり、さらにそのタイミングも変えたりすることで作物に最適な成長を促します。各種センサーから得られる天候の情報と画像判定による成長具合を機械学習することで、AIにより収量や収穫時期の予測ができるようになります。

 

3. 散布や収穫の自動化

水や肥料、農薬の散布をドローンから自動的に散布したり、AIを搭載した自動収穫ロボットが、作物を一つ一つ判定し、収穫を行います。

 

4. ノウハウの構築と継承

農業では天気や害虫といった予測不能な要素に対応しなければなりません。これまでは職人の経験や勘に頼ってきたものが多いですが、スマート農業では、各種センサーや画像から得られた情報をAIが判定し、様々な予測をしたり、より収穫量が多くなる手法を提案します。職人の勘を可視化することで、初心者でも安定した農業を行えるようになります。

 

食料の自給率を高めることが必要に重要になってくる時勢となってきました。様々な課題が山積みのなかで、AIに活路を見出すことがこれからの大きなソリューションになるのではないかと、考えています。

allAi.jpでは、農業の分野におけるAI活用の事例を提供していきたいと思います。