Dream Machine:無料動画生成AIの機能と活用法を解説!

1.はじめに

ChatGPTを開発したOpen AIは、2024年2月に動画生成AI「Sora」を発表しました。これに対抗するかのように、Luma AIは動画生成AI「Dream Machine」を開発・発表しました。2024年6月時点では、Open AIの「Sora」は一般利用できませんが、「Dream Machine」は無料・有料のどちらでも利用可能となっています。この記事では、「Dream Machine」の機能や料金体系などを詳しく見ていきます。

 

2.Luma Dream Machineで何ができる!?

まず、Dream Machineの特徴を簡単にまとめます。

  • 一本あたり5秒間の動画を生成できる
  • プロンプトの入力はテキストと画像の2通りから可能
  • 入力テキストの言語は幅広く対応している

では、それぞれのポイントを解説していきます。

 

動画の長さ

動画の長さは5秒間に限られます。5秒間の動画は120フレームの画像から成るとされており、公式のブログでは5秒間の動画の生成時間は約120秒とされていますが、実際の生成時間は2分より長くかかりました。

 

入力プロンプト

Dream Machineでは、テキスト入力から動画を生成するText to Videoと、画像入力から動画を生成するImage to Videoの2つの手法があります。もちろん、両方の手法を組み合わせた動画生成も可能です。

 

入力テキスト言語

プロンプトはテキスト入力が可能で、その言語は幅広く対応しており、日本語でも生成することができます。ただし、英語の入力の方が適切に理解してもらえる可能性があります。

 

3.料金体系は?

続いて、料金体系を見ていきます。Dream Machineは無料でも使用可能ですが、有料プランにアップグレードすることで生成可能な動画数が増えます。料金体系は以下の表の通りです。

料金は月額料金として記載されています。年単位で購入すると割引が適用されることもあるので、料金体系は必ずしもこの通りではありません。無料プランでも1か月に30本まで動画を生成することができます。また、有料プランに加入することで、著作物の商用利用が可能になります。必要に応じてアップグレードすると良いでしょう。

 

4.Dream Machineの今後の課題

動画は複数の画像を連続的に並べたものであり、Dream Machineは約1秒に1枚の画像を生成するという超高速な画像生成を実行しています。従来の画像生成AIが20~30秒で1枚の画像を生成することを考えれば、その高速さがわかります。しかし、この高速さ故に以下のような状況では、動画生成が上手くいかないことがあります。

  • 描写する物体や人物が多い
  • モーション(動き)が多い、あるいは複雑である

いくつかの例でこれらを検証してみました。

 

ビリヤードのブレイクショットの様子

ビリヤードのブレイクショットは球がいくつも登場するだけでなく、それぞれの球が複雑に衝突するため、球の運動を現実のように描写するのは難しかったようです。

ラグビーボールのバウンドの様子

ラグビーボールはバウンドの様子は非常に複雑になることは有名であり、この場合も現実世界のようなクオリティの動画を生成することはできませんでした。

さらに、映画やゲームなどにも使用されているCG技術のような複雑な計算を要する状況では、実際の現象の「~らしさ」を表現することは難しいと考えられます。また、画像同士を滑らかに繋ぐ技術や、動画内に文字を入れる技術、動物などの正面をきちんと表現する技術などに制限があることも公表されています。

 

5.Dream Machineの活用術

前章ではDream Machineの技術的な課題を挙げましたが、これらの欠点を理解した上での活用法もあります。ここでは、いくつかの活用術を紹介します。

登場人物を減らす

登場人物が多いと一人ひとりの人物の細部を表現することが難しくなります。バスケットボールの試合映像などは避け、登場人物は一人に制限すると良いでしょう。

動きを小さくする

動きが複雑な場合はフレーム間の接続が不自然になることが多いです。これを防ぐためにも、人物の動きはなるべくシンプルで小さく抑えると良いでしょう。

画像入力を活用する

動画生成AIや画像生成AIによくあるのが、「想定していた構図・テイストではない」という問題です。画像入力を活用することで、イメージから大きくずれた構図・テイストになることを避けることができます。画像入力をしてしまえば、動きの部分のみをテキスト入力で補い、プロンプトを作成することができます。

以上のように、現在の動画生成AIの技術の精度を理解すれば、効果的な動画を生成することもできるでしょう。

 

6.まとめ

この記事ではLuma AIが発表した「Dream Machine」を紹介しました。この記事の要点は次のようになります。

  • Open AI「Sora」に対抗する新たな動画生成AI「Dream Machine」
  • およそ120秒で5秒間の動画を、無料または有料で生成可能
  • 有料プランで商用利用が可能
  • 動きや人物の多様化により生成が困難になることもある
  • 画像とテキストの同時入力を活用して、理想的な動画に近づく!

動画生成AIの登場により、画像だけでなく動画コンテンツ制作にも大きく変化が訪れるでしょう。無料の動画生成AI「Dream Machine」を、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

「Luma Dream Machine」