DeepSeekは、GPT-4oと並ぶ高性能なLLMとして登場しました。中国のAI企業で開発され、671Bという膨大なパラメータ数を誇ります。特筆すべきは、その圧倒的な価格の安さです。GPT-4oに匹敵する性能を備えながら、API利用料は入力1Mトークンあたり0.014ドルと非常に低価格です。参考までに、GPT-4oのAPI利用料は1.25ドルであり、その差は歴然です。
さらに、DeepSeekはオープンソースとして公開されており、開発者コミュニティにとっても大きな利点となっています。このLLMは、Geminiにも搭載されているMixture-of-Experts (MoE)と呼ばれる技術を採用し、わずか2ヶ月という短期間で学習からローンチまで完了しました。
今回は、「DeepSeek」破格の価格、機能と性能面で優れているのかについて詳しく解説します。
GPT-4oと同等以上の能力 – DeepSeek V3のパフォーマンス
以下の表からもわかるように、DeepSeek-V3はMMLUやGPQAといった言語能力や幅広い知識を測る指標において、GPT-4oと遜色ない性能を示しています。しかし、真に特筆すべきは、コード生成能力（Codeforces）や数学的推論能力（MATH-500）です。これらの指標においては、GPT-4oを大幅に上回る驚異的な数値を記録しており、特にMATH-500では90.2%という高い正答率を誇ります。このことから、DeepSeek-V3は一般的な対話用途だけでなく、高度なプログラミングや複雑な数理的課題への対応において適しているでしょう。
出典： DeepSeek公式X
GPT-4oの1/10 – DeepSeek V3のAPI価格とコスト効率
API価格について説明します。APIのコンテキスト長は64k、最大出力トークンは8kです。API価格は、2025年2月8日16時00分（UTC）まで割引価格で提供されます。
- 入力トークン: 0.014 USD / 100万トークン(割引後: 0.07 USD / 100万トークン)
- 出力トークン: 0.28 USD / 100万トークン(割引後: 0.27 USD / 100万トークン)
この価格をGPT-4oと比較すると、その差は明白です。GPT-4oのAPI利用料は、入力トークンが2.50/100万トークン、出力トークンが10.00/ 100万トークンです。つまり、DeepSeek V3の入力トークン価格はGPT-4oの約1/178、出力トークン価格は約1/36という驚異的な低価格を実現しています。
この性能とAPIトークン価格の関係性を視覚的に示したのが、以下のグラフです。縦軸は性能を示し、上に行くほど高性能であることを意味します。横軸はAPI価格を示し、左に行くほど低価格であることを意味します。したがって、左上に位置するモデルほど「高性能かつ低コスト」であると言えます。
このグラフから明らかなように、「DeepSeek-V3」は「Claude 3.5 Sonnet」と同等の高い性能を持ちながら、API価格においては圧倒的な低コストを実現しています。これは、DeepSeek V3が極めて優れたコストパフォーマンスを発揮するモデルであることを示しています。
出典： DeepSeek公式X
オープンソースモデル: 商用利用可能なオープンソース – DeepSeek V3のライセンスと利点
特筆すべきは、このDeepSeek V3がGPT-4oを凌駕する性能と圧倒的な低価格を実現しながら、オープンソースとして公開されている点です。ライセンスは広く利用されているMITライセンスであり、これにより、商用利用を含むほぼ全ての用途において、制約なくDeepSeek V3を活用することができます。
ChatGPT類似のインターフェースと独自機能 – DeepSeek V3の機能詳細
DeepSeek V3は、ChatGPTと同様のインターフェースにより直感的な操作が可能です。 さらに、GPT-4oを上回る内部性能に加え、以下の独自機能を備えています。
- DeepThinkモード: o1 miniと似た思考エンジンを活用し、複雑なタスクに適しています。
- Searchモード: ウェブ検索機能を統合し、最新情報に基づいた回答が可能です。
DeepSeek V3は日本語を含む多言語に対応しており、基本機能は無料で利用できます。 ClaudeのArtifacts機能も試験的に搭載されています（英語・中国語のみ対応）。
このようにDeepSeek V3は、使い慣れたインターフェース、優れた基本性能、そして独自機能を兼ね備えたAIモデルです。
まとめ
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GPT-4oを凌駕する性能: 数学や高度なコーディングにおいて、GPT-4oを明確に上回る性能を発揮
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圧倒的なコスト効率: GPT-4oの1/10という価格で利用可能
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オープンソースの柔軟性: 商用利用可能なオープンソースモデルであり、自社ニーズに合わせた自由なカスタマイズと拡張を実現
DeepSeekは素晴らしい数学・コード性能を持ちながら、API価格は格安です。さらに、通常のチャットボットとしての利用は無料です。しかし、中国製ということもあり、チャットボット利用に関しては、法律の違いなども含め、倫理的な判断が難しい側面がある可能性も考慮すべきでしょう。そのため、APIとして内部のアルゴリズムやプログラミングで活用するのが適切かもしれません。今後も最新AIニュースをどんどん取り上げていくので、楽しみにしていてください。