2019年に設立されたばかりの情報通信事業社・Bodygram Japan株式会社は6月7日、利用者の画像をAIで解析し、写真から体脂肪率と骨格筋量を推定するサービスをアップデートした。従来は高価なハードウェアなしには体脂肪などの詳細なデータを得ることができなかったが、今回のサービスはスマートフォンでたった2枚の写真を撮り、身長・体重・年齢・性別を入力するだけで学習用の人体データの中から自分と似た体系のモデルを探し出し、モデルの体脂肪率・骨格筋量を参考に詳細なデータを算出する。
同社は2018年にサービスの構想を発表し、もともとはカスタムシャツのオンライン通販においてセルフで採寸ができるようにと考えられたサービスだったが、アパレル業界での技術導入を経てこの度ヘルスケア業界に参入することを決定した。
日本では誰もが持っている身近な機器であるスマートフォンを用いて体組成をチェックできるほか、計測だけではなく、食事の内容や生活習慣などを入力することで自分の健康状態を確認できる。また目標の体重、体組成を入力することで、その状態に至るまではどのような生活をすればよいかということに関してもコーチングしてくれる。本来ならば体組成計で記録したデータを手動で外部のアプリケーションに入力や共有をしなければならなかったが、測定以外にも機能を付けることでヘルスケアがこのアプリ一本で完結するようになっている。
新型コロナウイルスで外出や行動が制限される中、コロナの流行以前より健康状態が悪化した人も多く、そういった人たちのニーズにうまく応えたかたちだ。また写真を撮るだけでよいので、採寸の際にも接触する必要がなく、コロナウイルスの感染を気にしなくてよい。今後はBtoBでの活用も視野に入れ、ウェルネスやヘルスケアに関連した業界での展開を目指している。
これだけの機能を詰め込んでおきながら、このアプリは3か月で開発させており、bodygram社の技術力の高さが感じられる。コロナ禍のニーズに合わせて開発された本アプリが今後コロナの流行の鎮静化とともにどのように進化していくのか、bodygram社の今後の動向に注目したい。
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