Auto1ーいつでもどこでも簡単に中古車の売買ができるサービス

企業・サービス概要

ドイツ・ベルリンに本社を置く中古自動車のオンライン自動車ディーラー。2012年に創立され、現在では30カ国以上をカバーしています。同社は 3万5000以上の自動車ディーラーをパートナーとしており、月に4万台以上を販売しています。2015年度には33万台を販売し15億ユーロの売上を達成しました。

売買取引からのマージンが主な収益となっています。例えばドイツ車がドイツ以外の国で再販価値が高いことを活かした取引を積極的に行うなど、地域によるアービトラージ(差額利益)で収益を高めています。ヨーロッパ全土にサービスを提供しているため、国を跨いで収益を最大化させている点が特徴です。

また、リアル店舗とオンラインを組み合わせた点も同社の特徴といえます。さらに、同社はドイツ銀行・アリアンツ社と提携してジョイントベンチャーも設立しており、今後は中古自動車の購入者向けに融資サービスも提供していく予定です。

主な事業・サービス

AUTO1.com

中古車販売・買取りディーラー双方に向けたB2Bオンライン取引マーケットプレイス。30ヶ国で60,000人以上に利用されており、中古車ディーラーをネットワーク化することに成功しています。上述の通り、自ら在庫を抱えて面倒な手続きを請け負うことで、ディーラーに対してスムーズな中古車購入や下取り・売却サービスを提供しています。

Wirkaufendeinauto.de

個人向けの中古車買い取りサービス。売り手はオンラインで無料の仮査定をした上で、ヨーロッパに350店以上展開するAUTO1の店舗に持ち込むことで、スムーズに売却を進めることができます。店舗では、仮査定時に入力された事前情報をもとに、整備士が20分程度で車両状態を確認、10分程度で査定額が算出され、売り手は5日程度の期限内に売却するかどうかの判断を行う。以前は、ドイツでは中古車売却に平均約90日間を要していたため、大幅な期間短縮を実現しています。

Autohero

中古車を買いたい個人向けのB2C中古車マーケットプレイス。車検をパスした高品質の中古車をオンライン完結で購入することができます。

孫氏の投資

まず、孫氏がなぜ積極的に投資を進めるのかという背景について説明したいと思います。孫氏は「人類は30年以内にスーパー知性を持った人口知能の開発に成功すると確信している」と述べ、「これが大型投資を急ぐ理由だ」としました。

2018年、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF)はAuto1に対して4億6000万ユーロ(5.6億ドル)を出資することを発表しました。今回の投資によりソフトバンクはAuto1の株式を20%取得することになりました。

2021年2月3日、Auto1はフランクフルト市場で18億ユーロ(約2270億円)規模の新規株式公開(IPO)を実施しました。同社株は一時、公開価格38ユーロに対して49%高の56.76ユーロを付けました。この際、既存株主は株式を売り出しましたが、ソフトバンクはIPO前で20%だった持ち株を全く放出しませんでした。孫氏は同社のさらなる期待に賭けたとみられます。一方、Auto1は今回調達した資金のうち約7億5000万ユーロは「Autohero.com」の拡張に充てるということです。

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