デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームは、人工知能(AI)を使って、豚のうなり声から豚の感情を推測することに成功したと発表しました。
このAIブタ翻訳機により、動物の健康状態を自動的に監視し、畜産業の効率化を図ることが期待されています。研究者らは、学術誌『Scientific Reports』に、400頭以上から録音した7,414個の豚の鳴き声の音響特性をAIで分析した方法を紹介しています。収録された音声のほとんどは、農場や商業施設で録音されたものですが、おもちゃや食べ物、見慣れないものを与えられて鼻を鳴らしたり探検したりする実験用の囲いから録音された音声もあります。
研究チームは、このアルゴリズムを使って、ポジティブな感情に関連する鳴き声とネガティブな感情に関連する鳴き声を区別しました。研究者達によると、このアルゴリズムは、92%の精度で豚の感情を予測しました。この豚の翻訳機は、現在、豚のネガティブな感情とポジティブな感情しか予測することができませんが、今後より多くの録音を重ねることで、より幅広い感情のレパートリーを識別できるようになり、他の動物の精神的な健康状態にも光を当てることができるようになるかもしれません。
現在、畜産業において家畜の管理は身体的健康に焦点が当てられています。今後このアルゴリズムが、農場などの音をモニターして動物の心理的な健康状態を評価する畜産業の新しい自動化システムに道を開くいていくのかもしれません。