プライバシー権を侵さないAI監視カメラ

これまで施設のセキュリティ強化のためにAIを導入した事例はいくつもありましたが、AMBIENT AIという会社は、まったく新しい手法でこの分野に挑戦しています。

何十台、何百台ものカメラが設置された最新の企業や学校のキャンパスでは、非常に多くの映像やデータが生成されるため、専門のセキュリティ・チームでさえ、その処理に追いつくことが困難です。その結果、重要な問題を見逃す可能性があるだけでなく、誤報やノイズに悩まされることになります。

既存のAIを使った監視システムは顔認証のために人々の肖像権やプライバシー権を侵害していると言われています。しかし、同社はこの問題を解決するために、プライバシー・バイ・デザインという考え方に基づいてプラットフォームを構築しました。

AIを使ったセキュリティでは、顔認証をせずに人の動き自体を監視することで、顔認証をしなくてもリスク指標を得ることができます。実際の効果としては、「テールゲーティング」(セキュリティで保護された場所に、権限を与えられた他の人のすぐ後ろについて入ること)というテストでは、最初の週に2,000件の違反が検知しました。別のテストでは、ある学校の防犯カメラが、勤務時間外にフェンスをこじ開ける人物を捉えました。警備の責任者は、すぐにその映像を送ってもらい、警察に連絡しました。同社は5200万ドルの資金調達を行い、このシステムのさらなる改善に努める予定です。