経理部の仕事は膨大な作業量の一方で、細かなミスも許されません。ですが、このように膨大なデータを扱うシビアな業務こそ、AIと非常に相性が良いといえます。本記事は、AIを導入することで、ミスをなくし、生産性の向上を実現することができた成功事例を5つ紹介したいと思います。
経費チェック
AI経費精算サービス「SAPPHIRE」は経費の不備・不正チェックや通勤費・交通費の自動精算をAIが行い、問題を発見するとアラートを発する仕組みになっています。花王グループの花王ビューティブランズカウンセリング株式会社は同サービスを通勤費・交通費の精算に活用し、年間約55,000時間、金額にすると約1.5億円のコスト削減に成功しました。同時にペーパーレス化も実現されました。
取引の照合
「支払確認アクセル」はAIが請求書をチェックし、取引先の口座や金額、押印の抜け落ち等を自動で確認してくれます。さらに、AIにより請求書の内容から勘定科目を特定することもできます。
請求書処理の自動化
請求書特化型のAI-OCR「sweeep」は従来のOCRと違い、請求書の読み取りだけで終わらず、仕訳や振込データ作成、データ保管といった作業まで一貫して管理することができます。ファッション通販「ZOZOTOWN」を運営するZOZOはsweeepを導入し、請求書処理の完全デジタル化が実現し、締め日まで7営業日かかっていたのが、3.5日へと短縮されました。
出張手配・管理
AIを搭載した出張手配・管理サービス「AI Travel」は国内外問わず、最適なホテルや交通手段を一括で検索・予約することができます。旅程をリアルタイムで確認したり、旅費の適正価格を遡って調べることができるので、不正調査などの出張管理を楽にすることができます。さらに、「freee」などの会計サービスと連携することもできます。サイバーエージェントは2018年から同サービスを社内の一部に試験導入しており、社内問い合わせが減り、また管理者の工数を大幅に削減したことを踏まえて本格導入されることになりました。
社内問い合わせ対応
社内向けAIチャットボット「HiTTO」は日本中の企業の経理・総務部のナレッジを蓄積し、膨大な質問パターンを学習しています。ゆえにFAQデータの作成やシナリオの設計など従来のチャットボットで発生する面倒な工程が不要で、簡単に導入することができます。三菱UFJリースは同製品を導入し、月に400~500件発生する社内からの問い合わせを自動で回答することに成功しました。DX化の影響でシステムが変更され、問い合わせが増加する中で、同製品が活躍しているといいます。