世界の工科大学の中でも有名なスイス連邦工科大学チューリッヒ校(以下、ETHZ)にて、AIとロボットを活用した新しいアプローチのプロジェクトが行われています。
2019年に始まったこのプロジェクト「Semiramis」は、古代都市バビロンの建造物に着想を得た巨大な彫刻プランターのような「空中庭園」の建設プロジェクトで、人間とAIの協同によって進められています。
AIによる設計
大まかなアイデアは人間の頭脳から生まれたものですが、サイズや水やりの必要性などについては、機械学習アルゴリズムによって定められました。
*機械学習について詳しく知りたい方は、↓の参考記事をご参照ください。
また、設計においては、構成物の位置を微調整したり、レイアウトを変更したりといったことがありますが、AIは、その変更に対応するために構造物全体と他の構成物の形状を即座に把握して、自重に耐えられるように調整します。
このように、機械学習のアルゴリズムを使用することによって、従来の設計プロセスを逆にして、プロジェクトの設計全体を検討することができると言われています。
建設における人とAIの協同
Semiramisでは、その建設プロセスにおいても人とAIとの協同があります。
吊り下げられた4本のロボットアームがたくさんの重い部品を拾い上げて配置し、人がそれらを固定するための樹脂を塗り、接合します。
2022年春には、何十枚もの木製パネルで構成された5つの幾何学的なポッドが青々とした緑に彩られている建築物が完成する予定です。