最先端AIが変える調査レポート―Perplexity Deepresearch徹底解説

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目次：

  1. 導入
  2. 基本情報
  3. 性能評価
  4. 実際の出力
  5. まとめ

 

１．導入

生成AI技術の急速な進化の中、PerplexityはAI検索に特化した最先端ツールとして注目を集めています。2025年2月現在、最新のLLMモデル（OpenAI　o3-mini、Deepseek R1など）を駆使し、検索結果を即時に閲覧可能な仕組みが魅力です。先日、Perplexityは2月14日（日本時間15日）にDeepresearchを発表しました。ChatGPTのPro会員向けDeepresearchと名称や機能の面で類似点があるものの、独自のアプローチで専門性の高いレポート生成を実現しています。本記事では、Perplexity版Deepresearchの基本情報、性能評価、実際の出力例について詳しく解説します。

 

２．基本情報

・Deepresearchとは

ユーザーが入力したテーマに関してAIエージェントが複数の検索を自動で実行し、検索結果を読み込み、内容を分析・要約して包括的なレポートを作成する、というものです。

Chat GPTに登場した時点で話題になっていましたが、複数の検索を同時に行い、内容を精査する作業を何度か繰り返し、かなりの量のWeb上のデータから信頼性の高い、質のいい情報を抽出し、分析・要約し、レポートにまとめることまでしてくれます。

人間が行うとすると何時間かかるかわからないような作業ですが、Deepresearchは2～4分で完了させます。

・PerplexityのDeepresearchの特徴

大きな利点は無料利用枠が存在することです。1日5回という制限はありますがChat GPTでは月約3万円のプラン以外では利用できないので、強みと言えるでしょう。また、PerplexityのProプランでは月約3000円で1日最大500回までに拡張できます。

また、出来上がったレポートをPDFやMarkdown形式にエクスポートでき、Perplexity pageとしてもオンラインで共有可能なのも大きな利点です。

 

３．性能評価

PerplexityのブログにDeepresearchのベンチマーク評価が載っていたので紹介します。

このグラフは専門性の高いベンチマークであるHUMANITY’S LAST EXAMの評価で、PerplexityのDeepresearchは21.1％とOpenAIのDeepresearchの26.6％に迫る高い評価になっています。現状最高峰の推論能力を持つといいえるDeepseek R1（9.4％）、OpenAI　o3-mini（13.0％）を大きく上回っています。

こちらはモデルの回答の正確性を図るためのSIMPLE　QAというベンチマークの評価です。OpenAI　o1-previewや4oが50％に届かない中PerplexityのDeepresearchは93.9％の正確性を発揮しました。

 

また、他社製品との比較はありませんでしたが、平均25ステップの推論、調査を平均3分以内に完了するという実験結果が示されていました。

Chat GPT のDeepresearchより回答速度は速いけど回答の内容は少し粗い、といったイメージです。

 

４．実際の出力

PerplexityのDeepresearchは金融、マーケティング、製品調査など、専門性の高い調査に特化して設計されているということなので、試しにこんなプロンプトを入力してみました。

“日本で業界特化型のAIエージェント事業を立ち上げるための成功戦略を教えてください。市場動向、競合分析、ターゲット顧客、提供すべきサービス、価格設定、マーケティング戦略など、具体的な提案を含めて詳細に説明してください。”

 

以下の画像は推論過程が可視化されたものの一部です。英語でわかりづらいかもしれませんが、一度の検索結果を受けて次にどのようなキーワードで検索すればいいかをモデルが判断して、次の検索を実行している様子が見て取れます。

この結果、Deepresearchは78のソースを検索し、それをもとにレポートを作成してくれました。プロンプトを入力してから3～4分でタスクを完了しました。

https://drive.google.com/file/d/1_yNBCzI1jnKA1WcQjeixQ-xzc_wsNx3I/view?usp=drive_link

この完成されたレポートを見ると、検索された大量のデータの中から適切に必要なものを取り出してきてデータとして引用し、素人目に見てもかなり完成度の高いレポートになっていると思います。

自分では専門的評価ができないのでChat GPT （o3-mini-high）に“このレポートをマーケティングの専門的知見から評価してください”とお願いしたところ、以下のように出力されました。

このように非常に高い評価でした。様々な専門知識と高い推論能力を持つo3-mini-highがここまで高く評価するのだから相当な出来なのでしょう。

 

５．まとめ

ここまで見てきたようにPerplexityのDeepresearchは無料で専門的かつハイクオリティなレポートを生成できる革命的なツールといえるでしょう。

調査や分析にかかる時間を劇的に短縮できるだけでなく、精度の高い情報収集と分析機能により、業務効率化を実現します。生成AI市場の進化と競合他社との激しい競争が続く中、このようなツールの登場は、調査業務やレポート作成の常識を大きく変える可能性を秘めています。

しかし生成AI市場の進化と競合他社へのキャッチアップはすさまじい速さです。OpenAIは近いうちにDeepresearchをPlusユーザー、無料ユーザーにも提供すると発表していいますし、他の生成AI大手企業も黙ってはいないでしょう。

Deepresearchを使ってみて専門知識のない人間がここまで専門的なレポートを書けてしまう時代になっているということを体感しました。

次は何ができるようになるか、生成AIの進化からまだまだ目が離せません。

 

参考文献：

https://www.perplexity.ai/ja/hub/blog/introducing-perplexity-deep-research

https://ameblo.jp/yakankun2010/entry-12886672516.html