2024年12月11日、ChatGPTのCanvasモードが有料ユーザーだけでなく、無料ユーザーを含む全ユーザーに開放されました。また、このCanvasモードではClaudeのArtifactsに代わるPythonの実行機能が追加され、コードのエラーを即座に解析し、自動で修正案を提示することで、プログラミング効率が格段に向上します。
さらに、同年12月13日には「Advanced Voice with Video」が登場しました。これにより、モバイル版ChatGPTのAdvanced Voice Mode内で、リアルタイム動画を活用したマルチモーダル機能が利用可能となりました。ユーザーは動画を視聴しながら「これは何ですか?」といった質問や対話を行うことができます。この機能は有料ユーザー限定で提供されており、1週間以内を目処に実装予定です。
また、Advanced Voice Modeに期間限定で「サンタ」の声が追加されました。この特別な音声をぜひ、サンタさんが帰る前にお試しください。
以下では、これらのアップデートの詳細について解説していきます。
進化するCanvasモード:無料化とPython機能で広がる活用の可能性
Canvasモードでは、主に以下のアップデートが施されました。
- 無料ユーザーへの開放従来は有料ユーザー限定だったCanvasモードが、無料ユーザーにも利用可能となりました。
- Pythonのデバッグ機能ClaudeのArtifactsに代わる機能として、Pythonのデバッグが可能になりました。
- フィードバック機能の向上ユーザー体験をさらに向上させるため、フィードバック機能が強化されました。
- データ・グラフの可視化機能データ分析やグラフ作成をより直感的に行える新しい可視化機能が追加されました。
- GPTsのCanvasモード搭載GPTsをCanvasモード内で利用できるようになり、作業効率が向上しました。
Canvasモードの詳細な機能や具体的な使い方については、以下の記事で詳しく解説しています:Canvasモードの使用例解説記事
また、アップデートのポイントを視覚的に確認したい方は、公式紹介動画をご覧ください: canvasアップデート紹介動画
今回は以下にアップデート内容の詳細について解説していきます。
無料版、有料版を問わず、すべてのユーザーが GPT-4o をデフォルトで Canvasモード として利用できるようになりました。さらに、Canvasモードには以下のような新機能が追加されました。従来の ChatGPT Canvas-4o は廃止されました。そのため、今後使用する際は、GPT-4を選択した上で「Canvasモードで開いて」と指示するか、「/canvas」と入力する必要があります。
新機能の詳細
- Pythonのデバッグ機能:Pythonでのコード修正、実行、結果確認が容易になり、さらにエラー発生時には修正案を自動で提示してくれる機能が追加されました。
- WebAssemblyによるPython実行:内蔵のPython実行環境がWebAssemblyを活用して高速起動可能になりました。コード生成は主にPythonで行われますが、生成後は他の言語に変換することも可能です。
注意点
現在、CanvasモードではPythonコードのみが実行可能です。他のプログラミング言語を使用したい場合は、生成されたPythonコードを外部ツールで変換する必要があります。
- フィードバック機能
Canvas上で『フィードバックして』と指示すると、視覚的に分かりやすいコメントが表示されます。例えば、記事の構成や文法の修正点を指摘するコメントが自動生成されるため、文章の質を効率的に改善できます。この機能は特にブログ執筆やプレゼン資料の作成に役立ちます。
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データグラフ機能
Canvasモードでは、社内データや研究資料を簡単に可視化することができます。例えば、『売上データを棒グラフで可視化して』と指示すると、Pythonコードを基に即座に作成されます。また、教育用途では『pythonで花のイラストを作成して』と入力することで、プログラミング学習の一環としてデザイン要素を含むイラスト生成も可能です。
- GPTs搭載
CanvasモードにGPTsを追加することで、特定の業務やタスクに特化したカスタマイズAIを作成できます。例えば、社内のFAQを自動化するチャットボットや、特定の文書スタイルに基づく執筆支援AIを構築することが可能です。これにより、業務効率の向上やプロジェクトの質の向上が期待されます。
Advanced Voice with Video登場!音声とビデオで広がるAIの可能性
Advanced Voice Modeの機能や詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。音声モードの利用方法や活用例について知りたい方におすすめです:
さらに、動画で操作イメージを確認したい場合は、こちらをご覧ください:
公式紹介動画
ChatGPTの高度な音声モードに新たにビデオおよび画面共有機能が追加され、より直感的でマルチモーダルなコミュニケーションが可能になりました。たとえば、ユーザーは携帯電話のカメラを通じてリアルタイムで物体を見せながら質問したり、画面共有を活用してプレゼン資料の改善案を直接相談することができます。これにより、音声会話にビデオ入力と画面共有が組み込まれる形となりました。
この機能は、有料プランである ChatGPT Plus、Team、Pro ユーザー限定で提供されています。ただし、ビデオおよび画面共有の使用は、ユーザーごとおよび会話ごとに制限があります。
使用制限について
- 各対象プランでは、1日単位でビデオおよび画面共有の使用回数が制限されています。
- 使用制限に近づくと、通知が表示されます。
- 使用制限に達すると、リセットされるまで新しいビデオや画面共有コンテンツを使用できません。
この機能は、現在スマートフォンのモバイル版で利用可能です。
この画面共有機能は、Gemini 2.0と同等の高度な視覚認識能力を備えています。たとえば、複雑な図表の解析や動的な情報の共有に対応可能です。Gemini 2.0について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください:Gemini 2.0の記事はこちら
期間限定の「サンタモード」
12月中のみ使用可能な「サンタモード」が登場しました。サンタの声での会話を楽しめる特別な機能ですので、ぜひこの期間中にお試しください!
まとめ
- Canvasの無料ユーザーへの開放
従来有料ユーザー限定だったCanvasが無料ユーザーにも利用可能になりました。 - CanvasでのPython実行が可能に
Pythonコードの作成、実行、デバッグがCanvas上で行えるようになりました。 - Advanced Voice with Videoの登場
音声会話にビデオ入力と画面共有機能が追加され、よりインタラクティブな体験が可能になりました。 - 期間限定「サンタの声」が登場
12月限定で「サンタモード」が利用可能に。特別な音声を楽しめます。
今回のアップデートでは、CanvasでPythonのデバッグが可能になり、ClaudeのArtifactsに代わる機能が登場しました。しかし、現時点ではPythonコードのみ実行可能であり、機能の幅はArtifactsよりも限られています。個人的には、まだClaudeのArtifactsの方が使用感として優れていると感じます。
今後も最新のアップデート情報をお届けしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
参考文献
- https://openai.com/index/introducing-canvas/
- https://openai.com/12-days/
- https://allai.jp/openai-canvas/
- https://help.openai.com/en/articles/8400625-voice-mode-faq
- https://help.openai.com/en/articles/10271060-12-days-of-openai-release-updates