EdTech(教育×テクノロジー)

はじめに

AIをはじめとするテクノロジーの発展により、様々な分野でテクノロジーが活用されるようになってきています。人と人の結びつきが強く、一見人間以外には代替が難しいと考えられる教育においてもAIなどの技術が活用されるようになってきています。そこでこの記事では、教育におけるテクノロジーの活用事例とそのメリットやデメリットについて解説していきます。

EdTechとは

近年、「X-tech」という言葉がよく聞かれます。これは○○×technologyという意味で、デジタルやICTを既存産業に掛け合わせることで新しい価値を生み出すものです。 

EdTechというのは「Education(教育)×Technology」を組み合わせたもので、なかなかテクノロジーが踏み入れてこなかった教育分野にも、テクノロジーが普及するようになってきました。 

文部科学省が2020年までにすべての小・中学校で一人一台のタブレット端末の導入を目指すという指針を発表したり、経済産業省が「『未来の教室』とEdTech研究会」を立ち上げるなど、日本でも国を挙げてEdTechが推進されています。 

AI活用事例 

AIはどのように教育現場に導入されているのでしょうか。  

アダプティブラーニング

アダプティブラーニング(Adaptive Learning ) とは個々の能力や特徴に合わせた学習のことを言います。 

従来教育は、人間の教師が大勢の生徒に向けて指導をする形で行われており、 

・一人一人の進捗に沿った指導ができない 

・一人一人の進捗に合わせようとすると教育現場の負担が大きくなってしまう 

などの問題がありました。 

しかしながらそこに、タブレット端末やAI技術を導入することで、児童生徒一人一人 の理解度や興味・関心、性格などを考慮した学習活動をすることが可能になりました。アダプティブラーニングでは、 ICT技術やソーシャルメディアなどを活用することで、生徒個々の学習の進捗状況をログとして残し、それを分析・反映することで、学習内容を分岐させ、最適化して提示していきます。

教員のSNS活用 

EdTechの一例として、たとえば教員用のSNS活用があります。 

従来は、生徒の欠席の連絡は電話で行われており、先生から保護者への連絡の際にもプリントや電話を用いるなど教員にとっては大きな負担になっていました。 

今では欠席や遅刻の連絡や教員から保護者への連絡も専用のアプリで行う事が可能です。また、クラス運営や課題提出の管理も特化したソフトで行えます。学校現場の業務改善もEdTechの一例となっています。

 

EdTechサービス事例 

Libry 

ICT(デジタル)とこれまでの勉強方法(アナログ)の理想的な融合を目指して考えられたデジタル教材プラットフォームです。 

紙のノートとペンを使った従来の勉強方法の優れた部分を残しながら、ICTのフル活用により「問題の検索」「苦手分野の分析」などを可能にし、生徒がより効率的な学習できるようサポートするサービスです。また、教員は生徒の回答を一元化して見ることができ、生徒ひとりひとりの学習履歴を確認したり、宿題の配信と回収や集計も行うことができます。 

Life is Tech!

2021年度からは、中学校でも新学習指導要領が「全面実施」となり、プログラミングに関する内容が拡充されています。ライフイズテックはスマホアプリ、ゲーム、Web、映像、音楽、デザイン、3DCG、IoTなどの最新のIT技術やプログラミングを学ぶきっかけとなるようなオン ライン教材で、HTMLやCSSなどプログラミングが初めての生徒も楽しくテキストコーディングが学べるようになっています。 

画面上のキャラクターがすべてレクチャーしてくれるので、これまでプログラミングを教えたことのない先生でも指導可能で、生徒の学習意欲を引き出す仕様となっています。 

日本ではデジタル教育が進んでおらずプログラミングの指導ができる教師も少ないため、プログラミング教育にとって大きい助けとなっています。 

EdTechのメリット

EdTechのメリットととしてまず挙げられるのが、教育格差の縮小です。従来は、所得や住んでいる地域によって受けられる教育の質が大きく異なりましたが、オンライン教育の充実でその格差は大きく縮小しました。 

次にあげられるのが、一人一人に合わせた細やかな指導ができることです。AI技術の導入などで、画一的でないそれぞれに適した指導などが可能になりました。 

そして、教育現場での負担の減少もメリットの一つです。 

日本の先生は世界一多忙といわれるほど激務を強いられてきましたが、必ずしも人間の指導を必要としなくなったことや、効率化を図った連絡サービスなどの開発で教師の負担は大きく減っていくことが見込まれます。 

まとめ

ここまでEdTechについてまとめてきましたが、今後はさらにEdTech分野での開発が進むと予想されます。 

オンラインでの教育が増え、リアルな人間関係が築きにくくなることや、機材の導入にコストがかかることなど一部懸念点もありますが、子供たちに質の高い教育を平等に与えられる手段としてEdTechの重要性は一層増していくでしょう。