現在の技術では、海中を探査するロボットを、海面から6,000km離れた場所からジョイスティックで制御することはまず不可能です。また、海面からでは海流を検知できないため、ロボットが航行するのに必要な海域のデータを得ることもできません。
この問題を解決するために、ハーバード大学やチューリッヒ工科大学、カリフォルニア工科大学の研究者らが、自律型ドローンが海流を利用して省エネルギーで航行できるようにするAIを開発しています。
*AIについて詳しく知りたい方は、↓の参考記事をご参照ください。
ドローンは、目標地点に到達するための最も効率的なルートを自分自身で判断する必要があります。そこで研究者たちが着目したのが、強化学習です。
*強化学習について詳しく知りたい方は、↓の参考記事をご参照ください。
今回のプロジェクトでは、Amazonで安価に購入できるマイクロコントローラーにインストールして実行できるソフトウェアを作成し、約1/2ワットの電力しか消費しないようにしました。
そして研究チームは、水中の障害物を通過する際に、反対方向に動く複数の渦が発生するというコンピューターシミュレーションを用いて、渦の後流にある低速度領域を利用して最小限の電力で目標地点まで惰性で進むようにAIに学習させました。
その結果、驚くべきことに、強化学習アルゴリズムを使えば、本物の魚の泳ぎ方よりもさらに効率的な方法を学習できることがわかりました。
この技術はまだ初期段階にあり、研究チームは、海中で遭遇する可能性のあるさまざまな種類の流れに対してAIをテストし、その有効性を評価したいと考えています。