人工知能を利用しデジタルマーケティングを強化するSaaS企業Appier(エイピア、共同創業者/CEO:チハン・ユー、以下Appier)は、台湾資生堂による美容通販サイトwatashi+ by shiseido 台湾において、購入を躊躇している顧客へのソリューションとしてウェブ接客ツール「AiDeal (アイディール)」を導入し、コンバージョン率、カートイン率、決済完了率の向上に成功した。
デジタルマーケティングの課題
watashi+ by shiseido 台湾は資生堂傘下の有名美容品ブランドエリクシール、dプログラム、アネッサなどの公式美容通販サイトであり、2019年に開設され日本の美容製品を楽しむ台湾の消費者にOMO(※1)のショッピングプラットフォームを提供する。ブランドマーケティングにおいては、限られた予算のなかコンバージョン率の向上を目指しオンラインリード(※2)を獲得しそれをさらに顧客へ変化させることが重要な一方、同時に、オンラインとオフラインでの価格差を低減するために、割引プロモーションではないやり方でのコンバージョン率の向上を実現することも重要である。台湾資生堂のwatashi+はAppierと業務提携することでこういった課題を解決した。また、これによりAppierは主に割引プロモーションにより顧客を引き付ける現行のプロモーションイベントとの差別化を達成した。
機械学習を用いた効率的なクーポン配布
台湾資生堂のwatashi+とAppierは長くにわたり提携しており、これにより豊富なトラフィックを蓄積している。AiDealはこれの分析、そしてリアルタイムでも新規会員と購入履歴のある既存会員のマウスの動きやスワイプの軌道といった行動パターンを追跡し、機械学習を用いてユーザーの購入可能性の算出、そして購入を躊躇しており、クーポンにより購入可能性が高まるユーザーの特定をした。そしてこのユーザーに約3550円(日本円換算)以上の購入で限定フェイスマスクをプレゼントするクーポンを配布することで、ユーザーの決済を促進し、購入金額を増加させることに成功した。誰にでも一律(全ユーザー)にクーポンを配布するのではなく、購入しないウィンドウショッパーや、購入意思がすでに固まっている顧客を避けることで、クーポンコストを最適化し、収益率を維持することが可能となる。加えて、AiDealは購入を躊躇している顧客の行動がモバイルユーザーとデスクトップユーザーによって異なることや、このような顧客が購入を検討する時間帯のピークが水曜日と木曜日の午後2時から3時であることなど、従来のツールでは把握することが困難な事実を発見した。
※1 OMO (Online Merges with Offline)とはオンラインとオフラインを融合しよりよい顧客体験を提供しようという考えのことである。
※2 リードとは見込み顧客そのもの、または見込み顧客が持つ情報のことであり、マーケティング業界で頻繁に使われる言葉である。
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